「これはくる」東京国際映画祭で見逃せない作品の見つけ方

東京国際映画祭2023 NEWS
東京国際映画祭2023
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2019年の第32回東京国際映画祭から取材をしているが、今だにTIFF(東京国際映画祭)の攻略法は見つからない。200本を超える作品が上映され、カンファレンスなどのイベントも開かれる大掛かりなイベントだから当然といえば当然だ。

すべてを見るなんてことは、到底無理なので、自分なりに「ここはおさえておきたい」というポイントを中心に作品を鑑賞することになる。

毎年発行される「東京国際映画祭全作品ガイド」を穴があくほど見つめ、上演スケジュールを組もうとするが、これがまた難しい。

東京国際映画祭2023マイパンフレット

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自分が通える日に見たい作品が上映していなかったり、同じ時間に見たい映画が被っていたりとスケジュール管理に苦労する。

一般上映のほかに、プレス上映もあるので、そちらのスケジュールとも照らし合わせて組み立てなければならない。

この作業が悩ましいのだが、その悩ましさが楽しいとも言える。例えばコンペ作品。今年は15本のコンペ作があったが、全部鑑賞するのはスケジュール的に無理だったので、鑑賞したいと思った作品と、話題性がある作品、賞に関わってくるだろうと予想する作品の3パターンにわけてみた。

東京国際映画祭2023マイパンフレット

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そうすると絶対に鑑賞しなければならない作品を7本に絞れた。この7本の中に、グランプリが含まれると予想して選んでいる。これが、過去5年間大体当たっている。映画ファンにはわかってもらえると思うのだが、「これはくるな」という感覚がある。

もちろん、事前の情報や監督の前作の出来栄えや雰囲気を知っているからこそ「これはくる」という結論に達するのだが、なんとなくの感覚という根拠も捨てきれない。

今年は、『雪豹』に「これはくる」を感じた。そして、第36回東京国際映画祭の東京グランプリは『雪豹』に贈られた。

来年度は、もう少しこの感覚について掘り下げて考え、どうやって鑑賞する作品を選んでいるのか自分の思考を追求してみたい。

第36回東京国際映画祭 各賞受賞作品と受賞者

コンペティション部門

東京グランプリ/東京都知事賞 『雪豹』(中国)

審査員特別賞 『タタミ』(ジョージア/アメリカ)
最優秀監督賞 岸善幸(『正欲』日本)
最優秀女優賞 ザル・アミール(『タタミ』ジョージア/アメリカ)
最優秀男優賞 ヤスナ・ミルターマスブ(『ロクサナ』イラン)
最優秀芸術貢献賞 『ロングショット』(中国)
観客賞 『正欲』(日本)

アジアの未来 作品賞 

『マリア』(イラン)

Amazon Prime Video テイクワン賞

『Gone with the wind』 ヤン・リーピン(楊 礼平)

Amazon Prime Video 審査委員特別賞 

『ビー・プリペアード』 安村栄美

エシカル・フィルム賞 

『20000種のハチ(仮題)』(スペイン)

黒澤明賞

グー・シャオガン、モーリー・スリヤ

特別功労賞

チャン・イーモウ

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名称:第 36 回東京国際映画祭
開催期間:2023 年 10 月 23 日(月)~11 月 1 日(水)
会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
公式サイト:www.tiff-jp.net