第37回東京国際映画祭コンペティション部門結果と受賞者コメント【2024】

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第37回東京国際映画祭は、2024年10月28日から11月6日までの10日間にわたり東京都内で開催され、世界中から集まった多様な作品が上映されました。
東京国際映画祭はアジア最大級の映画イベントで、毎年ワールドプレミア・アジアプレミアの作品が多く上映されることから、多くの映画ファンや映画関係者が注目している映画祭です。
今年のコンペティション部門には15作品がノミネートされ、開催終了日に東京グランプリや観客賞などの各賞が選出されました。

コンペティション部門の概要

コンペティション部門は、東京国際映画祭の中でもメインとなる部門で、世界各国から厳選された作品がノミネートされます。例年、個性的で多様なテーマが取り上げられ、今年も多彩なジャンルや新しい視点の15作品が集まりました。

最優秀作品賞

東京グランプリ/東京都知事賞(最優秀作品賞)

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受賞作品: 『敵』

監督: 吉田大八

吉田大八監督のコメント
「審査員の皆さま、ありがとうございます。10日間映画祭を支えたスタッフの皆さまもありがとうございます。私自身もこの映画祭で多くの映画を観ることができました。味方は意外と多いことに気づけて良かったです。僕も長塚さんも皆さんの敵であり、味方でいたいと思います。これからも映画をよろしくお願いします。」

審査員特別賞

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受賞作品: 『アディオス・アミーゴ』

監督: イバン・D・ガオナ

イバン・D・ガオナ監督のコメント
「素晴らしい賞をありがとうございました。私たちは世界一周するほど遠いコロンビアから来ました。東京国際映画祭の皆さま、光栄です。本当にありがとうございます。」

最優秀監督賞

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吉田大八『敵』
吉田大八さんのコメント「この小さな映画を誕生から旅立ちまで見届けてくれてスタッフや俳優の皆さんに感謝しています。私自身がいい監督であるかはわかりませんが、この映画がいい映画になったことは確かです。ありがとうございました。」

最優秀男優賞

受賞者: 長塚京三『敵』

長塚京三さんのコメント
「ちょっとビックリして、まごまごしています。『敵』という映画は、年を取って一人ぼっちで助けもない。そして敵に閉じ込められるという内容で。でもこういう場に立たせてもらい、結構味方もいるんじゃないかと気を強く持ちました。ボチボチ、引退かなと思っていたので、奥さんはガッカリするでしょうけど、もう少し、この世界でやってみようかな。東京国際映画祭、ありがとう。味方でいてくれた皆さん、ありがとう。」

最優秀女優賞

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受賞者: アナマリア・ヴァルトロメイ『トラフィック』

アナマリア・ヴァルトロメイさんのコメント
「この賞をいただけて感謝と光栄の気持ちでいっぱいです。テオドラ、協力的で繊細な監督でいてくれて、私をこの作品の一員にしてくれてありがとう。この賞をすべての仲間と共有したいと思います。審査委員長のトニー・レオンさん、あなたは唯一無二の存在で生ける伝説です。私が演じたナタリアはあまり語らず目で多くを表現します。あなたこそが目で語る男と呼ばれる方ですから。他でもないあなたからの賞賛で私の喜びは爆発しそうです。」

最優秀芸術貢献賞

受賞作品: 『わが友アンドレ』

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監督: ドン・ズージェン
ドン・ズージェン監督のコメント
「この場を借りてこの作品に関わったスタッフの皆さんに心から感謝を申し上げたい。この映画は私のデビュー作ですが、周りの友人たちとともに作り上げました。劇中に大雪の場面があったと思いますが、私の心の中の悩みや暗い気持ちを覆ってしまうような気がしていましたが、雪はいつか溶けて太陽があらわれる。希望に満ちているんです。これからも努力していい映画を作っていきたい。」

観客賞

受賞作品: 『小さな私』

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監督: ヤン・リーナー
ヤン・リーナー監督のコメント
「この映画の持つ物語が最終的に皆さんの心に刺さることがあればいいなと思います。皆さんの映画に対する愛に感謝します。この作品は障害を持つ青年の成長を描いた作品ですが、主人公は普通の人間です。映画の製作に関わったすべてのクリエイターに感謝したいです。」

審査員からのコメントと総評

審査委員長 トニー・レオン

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「東京国際映画祭と素晴らしい審査員たちにも感謝します。今回、審査委員長という立場に大変緊張しました。当初は、いい映画に出会えなかったらどうしよう、逆にいい映画ばかりだったらどうしようとハラハラしていました。でも、審査委員全員一致でこの素晴らしい作品を見つけることができました。近い将来、またこの東京国際映画祭に来ることが出来る日を楽しみにしています。」
第37回東京国際映画祭(2024年)のコンペティション部門の審査員
審査委員長:トニー・レオン(Tony Leung)— 香港を代表する俳優。

審査員:エニェディ・イルディコー(Enyedi Ildikó)— ハンガリーの映画監督・脚本家。
審査員:橋本愛(Hashimoto Ai)— 日本の俳優。
審査員:キアラ・マストロヤンニ(Chiara Mastroianni)— フランスの俳優。
審査員:ジョニー・トー(Johnnie To)— 香港の映画監督・プロデューサー。

コンペティション部門参加15作品(地域別)

ヨーロッパ:3作品
ポルトガル:『英国人の手紙』
フランス:『彼のイメージ』
スロバキア/チェコ:『大丈夫と約束して』
ルーマニア/ベルギー/オランダ:『トラフィック』

アジア:9作品
日本:『雨の中の慾情』『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』『敵』
中国:『小さな私』『わが友アンドレ』『チャオ・イェンの思い』
台湾:『娘の娘』
カザフスタン:『士官候補生』
香港:『お父さん』

南米:2作品
コロンビア:『アディオス・アミーゴ』
ブラジル:『死体を埋めろ』

第 37 回東京国際映画祭
開催期間:2024 年 10 月 28 日(月)~11 月 6 日(水)
会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
公式サイト:www.tiff-jp.net
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